ジャパハモ

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人食いバクテリアが流行っているとニュースになっていましたが、身内が感染してました。

以前から「人食いバクテリア」という疾患が出始めたのは知っていましたが、実はあまり深くは追っていませんでした。

つい最近メディアで急に流行ってるよと流れていましたが、バクテリアとは細菌を意味し、比較的身近な細菌が何らかの形で急激に多臓器不全になり死に至らしめると言った所くらいの知識はありましたが、ちょうど身内がこんなことになった後だっただけに、なんの偶然か不思議な縁を感じたので今回ブログに書かせていただきました。

 

まさか身内がかかるなんて…と言うのが正直なところです。

私の母方の兄弟なのですが、昔の人なので子沢山なんですね・・・その中でも母は下の方なんですが、すぐ上の兄が実は人食いバクテリアにかかっていたんです。

もうびっくりです!!私にとっては伯父にあたりますがちょっと強面ですが、ずっと横浜在住なので小さいころからよく遊びに来てくれた気さくな方です。

母方は田舎の農家出身で兄弟も多いことから兄弟間の助け合いが強く、兄弟の家に居候したりとか、近くに住んでいれば様子を見に行ったりとかが頻繁にありました。

その伯父も、直ぐ下の妹にあたるため、東京に出てきたときなど面倒を見てくれたようです。

数年前、伯父の連れ合いである伯母が鬼籍に入り子供がいなかった夫婦でしたので、一人となった今は、昔気質の性格で年金や保険といったものを信用していなかったために掛けておらず、生活保護申請をして生計を立てておりました。

お酒をよく飲む印象があり、酔って暴れるといったことはありませんでしたが比較的陽気といった感じです。 事の発端は10月ごろで母の妹にあたる叔母が連絡を取ろうとしたときにつながらなかったことで心配になり、母や親戚中連絡を取り合てみたところ、誰も様子がわからないということで、本家に聞いてみたところ分かったようなのです。

 

感染症と救急は意外と大変!!

そして叔母が入院先に面会を申し入れたものの伯父の意識が戻っていないため、関係性が明らかにならないと親族とはいえ面会や様態について一切教えてもらえないとのことで、門前払いとなりました。(セキュリティ上当たり前ですが)

唯一面会できるのが本家の人物で、私にとっては従兄弟にあたる人物だけが面会できるとのこと。この人と同伴で身分証明ができれば可能とのことでしたが、なにぶん遠くそうそう来れるわけでもないため、伯父の身元保証人を兼ねるならとのことで、本家と電話連絡で病院側と話がつきどうにか病気についてと面会ができるようになりました。

そうして担当した医師と話ができて知らされたのが「人食いバクテリア」に感染していたとのことでした。      

 

意外な細菌が原因でした

「人食いバクテリア」こと「壊死性筋膜炎」は、別名「劇症型溶連菌感染症」とも言われています。 溶連菌は「溶血性連鎖球菌」が正式名称で中でもメジャーなのが「A群溶連菌」と呼ばれるものが多いです。  

お子さんのいる方は、溶連菌はおなじみですが、私も子供のころ溶連菌感染症にかかったことがあります。私の時は「猩紅熱」と言いました。

  特に溶連菌は喉にいて、この時期ならでは咽頭炎の原因になります。よく食中毒や院内感染などで出てくる黄色ブドウ球菌もそうですが、 この二つの菌は常在菌と言って体のいたるところに存在しています。

これがどういう訳か劇症型となり、毒素を出して液状化させ筋膜を壊死させてしまうのです。 劇症型に変化するのは溶連菌だけではなくて、最もなじみがあるのは肝炎があります。

最近ではC型肝炎は治療薬も出て治る病気になってきましたが、B型には劇症性がありこれにかかると予後が悪いとされています。それ以外にも腸管出血性大腸菌O-157という中毒症状を起こす細菌も普通の大腸菌にウイルスがくっつくことでベロ毒素を持った細菌に変化するのです。

 

 

分かっていない事がまだまだ多い感染症なのです

  抗生物質であるペニシリンが有効とされていますが、薬に頼りすぎると血行性で進んでいくために、早いと数十時間で肝臓や腎臓に到達してしまい多臓器不全になります。

そうなりますと、体幹部は切断できませんので死に至るまので(死亡率およそ30%~60%)そうなる前に手足を切断して壊死を食い止めるのです。(伯父も切断になりした)

初期症状も咽頭炎を含めた風邪症状に似ており、筋肉に痛みも出ます。ほとんどは足のチョットした水膨れから次第に黒く壊死が始まり、1時間に2~3㎝の猛スピードで感染拡大していくそうです。

大まかに言いますと全身感染症(敗血症)になり、血行性に進行していきますので

  ① 免疫低下状態にある方 (リウマチ等の膠原病、内分泌疾患系統、多量のステロイドを使用、抗がん剤を使用またはがん等)

② 体力の落ちている方  (主に50代以降)

③ 循環器系に問題のある方 (アルコールの多飲、肝臓疾患、動脈硬化、高血圧、糖尿、透析、心疾患など)    

足は汗をかきやすいため雑菌の宝庫と言われており爪の間や虫刺され、ちょっとした擦り傷などから菌が侵入するようです。 また体内に侵入する前から劇症型なのか侵入後なのか、どこから劇症型に変わるのかなど全く分かっていないので壊死が始まり進行速度が速いと初めてわかるため、糖尿病や腎臓を患っている方の合併症と勘違いすることもあります。 神奈川県衛生研究所    

 

厚生労働省  

 

 

本当に流行っているのだろうか?

そもそもこの感染症は、1994年にイギリスの新聞が発表したのが始まりとされています。

この感染症は5類感染症に分類されていて、この分類にある他の感染症の中には梅毒や、鳥インフルなど名前は聞いたことあるけど、目の当たりにしたことない疾患が多いのです。

つまりあまり流行らない感染症の類というわけです。

しかし日本の国立感染症研究所では、2011年以降200人前後だった感染者が次第に増え、最多感染者数の昨年のペースを今年は上回っているようです。

2011年と比較しても去年は倍の感染者数が報告されており、流行とは言い難いが広がりはあるのかも知れません。

今のところ人から人への感染例がないためインフルエンザのような騒ぎになっていませんが、早期治療によって発現前に治ってしまったか、多臓器不全と診断されて感染症報告がなされていないこともあるかもしれないのです。

ここにきてニュースなどで世間に認知されるようになったことで報告例が増えたかもしれません。

前述した第5類感染症の中には人から人への感染が確認されているものが多く、溶連菌自体は飛沫感染しますので、うがい手洗いは必須と思って頂く事が宜しいと思います。

もちろん乾燥や寒さでの免疫低下によるものですが、風邪が流行りますと免疫は低下してしますし、足は最も末端にあり冷えやすく疲労もたまりやすいことから、わずかな事からも感染しやすいのです。

特に白癬菌は代表的な感染症といえます。    

伯父に至りましては抗生物質投与後も集中治療室のようなところで管理されていましたが、やはり進行が速かったことで膝関節で切断し、菌が残っていると再び進行してしまうため大腿骨の骨の端を削り取り腿の筋肉に抗生物質を投与して腿の皮膚を伸ばし覆うように縫合しました。

伯父は気を失っていたことで誰にも連絡が取れなかったため緊急手術になったようで、その後意識を取り戻し本家にだけ知らせたとの事でした。

現在は自宅近くの病院に転院しリハビリに移るところです。